西日本豪雨災害=1=

日々雑感

広島県安芸郡熊野町のクリーン歯科です

7月6日西日本豪雨災害により、ここ熊野町も死者12名という甚大な被害が出てしまいました。
ひと月以上たち、やっと冷静にブログに書くことができるようになりましたので、綴りたいと思います。
あくまでも私個人が感じたことや、見聞きしたことであり、実際と異なることもあるかもしれません。ご了承いただければ幸いです。

 

お陰様でクリーン歯科は何の被害もありません。
停電も断水もなく、翌日より通常通り診療しています。

 

その日は今まで経験したことがない、尋常ではない雨が降り続いていました。
数日で年間の1/4の雨量だったと聞きました。
午後すぎより携帯から幾度となくけたたましい警報音が鳴り響きました。しかし、誰もこんな被害がでるとは思いもせず、
「この音(警報音)が怖いよね。」
と、話す人もいらしたくらい、至って普通に過ごしていました。
大雨にも関わらずキャンセルされる患者様も少なく、通常通り午後8時頃自宅に帰りかけたものの、通りは酷い渋滞により一旦引き返し、10時過ぎに再度帰宅しようと試みましたが、その渋滞はますます酷くなり、近くのコンビニや銀行の駐車場、路肩にまで車が停まり、全く先に進むことができずに止む無くこの日は院内に宿泊しました。
最初の渋滞の時にはすでに道が土砂で崩落した後でした。
その時は渋滞の原因がわからず、ニュースを見て驚愕した次第です。
まさか、こんな近くで、こんな被害が出るなんて、想像だにしなかったことが起こっていました。
熊野町は陸の孤島となっていました。

院内の休憩室でまんじりともせず夜を明かしました。一晩中鳴り響くパトカー・救急車・消防車のサイレン、町内放送・・・
音を聞くたびに体が震えました。
耳をふさぎたくなるような衝動にかられました。
その音は翌日以降も続きました。プラスしておそらく報道のためか、状況の把握のためか、自衛隊の救援のためか、ヘリコプターの音も加わりました。
今もそれらの音を聞くと動悸がします。

翌朝、夜が空けるとともに被害状態が把握できました。
この町で、こんなことになるなんて!
矢野東の土砂崩れ
川角5丁目の大原団地の土砂崩れ
その他、至る場所で、土砂崩れ、水没、停電、断水
言葉になりません・・・

山の上にある熊野町から広島市内に降りるには2本の道しかありません。その1本が矢野東の崩壊した道、そしてもう1本は通常は有料となっている道です。ここも規模は小さいものの、土砂崩れにより通行不可能となっていました。
他に、呉市へ通じる道、東広島へ通じる道、どこもかしこも不通となっていましたが、幸いにも市内への有料道路は翌日通行可能となり無料開放されました。
とはいっても、取り敢えず通行できるように繕った状態で、土砂や流木を避けて通らなければならない場所や、天気の良い日が何日も続いていても山から水が流れて雨が降ったかのような状態のところもありましたが、現在はそれらは解消されています。

有料道路は即座に無料となり、唯一の生命線となったため、気が遠くなるような渋滞が終日続いていました。
20分で行くところに3時間かかったとか、市内から1時間程度のところから、8時間かかったとか待合室で話されていましたが、やっと時間帯によっては渋滞するほどに緩和されています。
とはいえ、熊野町から市内に通勤通学されている方は、今だに行き帰りともに渋滞で大変であろうと察します。

物流が途絶え、スーパーやコンビニから、食料品や生活用品がなくなってしまい、買い出しのためご予約をキャンセルされる患者様もいらっしゃいました。
ガソリンも一回20Lまでという制限付きでした。
それらは広島市内も同じ状態になってはいたものの、市内は早々に解消され、何ら変わらず普段通りの生活に戻っていましたが、熊野町の物流は滞ったままの状態がしばらく続きました。

冒頭でも述べましたが、クリーン歯科は何の被害もありません。
土砂崩れのあった大原団地と同じ「川角(かわすみ)」という町名によりご心配いただきましたが、大丈夫です。
10日間ほどAU回線が圏外となってしまいWiFiが繋がらなくなりましたが、ドコモのスマホの4G回線で対処できたのでどうにか備品や材料の注文はできましたものの、配送が配達区域外となり受け付けてもらえないところがあったり、渋滞により届けられないということが暫しあり、どちらも市内の自宅を配送先とすることで診療に支障をきたすことなくどうにかしのぐことができました。

技工物の集配、宅急便による配送に至っても同様の対応をいたしましたが、一部の患者様へは期日に届かないことがありご迷惑をおかけしてしまい、止む無くご予約の変更をお願いいたしましたところ、
「こういう時期ですから大丈夫ですよ」
と、皆様、快くご変更に応じていただきました。
毎日、集配に来られる方も相当な時間を渋滞の車中で過ごし、かなりお疲れのご様子でした。集配では様々な場所へ移動されているため、渋滞の様子や、災害箇所の現状をお話してくださり聞くたびに胸が痛みました。