歯科用CT

当院のCT撮影装置

当院ではモリタ社の歯科用CT撮影装置『ベラビューエポックス3Df-α』を導入しています。
歯科用のCTは医科用に比べ被曝量を大幅に低減していて安全性を高めていることと、撮影時間が短いこと(10秒程)が特徴です。今までは広島大学歯学部病院や提携の医院様に撮影の依頼をしておりましたが、院内に設置いたしましたのでご不便をおかけすることがなくなりました。

当院のCT撮影装置

CT画像の有効性

CTとはComputed Tomographyの略で、コンピュータ断層撮影法と言います。
医科ではすでにお馴染みで問診、触診、視診だけでは判らない部分の病巣などを画像として“観る(診る)”ことができるため、正確な診断には欠かせない装置です。
歯科では根管治療や歯周病、顎関節症やインプラント治療などで活躍します。

■ CT撮影画像

CT撮影画像CT撮影画像

歯科用CT撮影装置の被爆量

国際放射線防護委員会では、CTやレントゲン撮影、また原子力発電所で生まれる放射線の被爆量の限度として平常時では年間約1mSv(ミリシーベルト)と勧告しています。
歯科用CTは1回撮影すると 0.1mSvですので約1/10です。ちなみに東京ニューヨーク間を飛行機で往復した場合の被爆量は0.19 mSv、医科用CTは6.9 mSv、胸のX線集団検診は0.05 mSvです。

症状・治療別CTの活用

CT撮影によって診査・診断の正確性は非常に高くなります。これまでレントゲンだけに頼った治療より格段に安全性や確実性が向上します。

■ 根管治療

根管治療

歯の神経が通っている部分を根管(コンカン)と言います。その根管の治療(歯の根の治療)では根管内の病巣や神経をしっかりと除去することにより再発を防ぎ、歯の寿命を長く保つことができます。ところが、根管が複雑な形をしていたり根管口がわかりにくい、数本ある根管のどれが根尖病巣の原因となる根管なのかが特定できない場合などが往々にしてあります。そのような場合、CT撮影をすることで事前にそれらが把握できるため、正確な治療に役立ちます。

■ 歯周病治療

歯周病治療

歯周病は日本人では40歳以上の80%が罹患していると言われています。
歯肉(歯ぐき)に炎症がある状態を歯肉炎、歯を支えている歯槽骨にまで炎症が及んでいる状態を歯周炎(歯槽膿漏)といい、それらを総称して歯周病と呼びます。通常のレントゲンでも歯の周りの骨の状態はある程度は確認できますが、CT撮影画像では吸収された骨の状態や範囲が3Dで確認することができます。

■ インプラント

インプラント

インプラントはチタン製人工歯根を顎の骨に埋め込んで土台とし、被せ物を装着する治療法です。以外かもしれませんが、顎の骨の中にも神経や血管が走行しており、それらを傷つけると神経麻痺等の事故につながります。そのようなことにならないように歯科医師は細心の注意を払わなければなりません。CTを撮影することにより事前に神経や血管の走行位置や深さなどが把握でき、危険な部分を避けてインプラントを植えることができます。インプラントを安全に行うには欠かせない情報をCT画像は歯科医師に与えてくれます。
インプラントシュミレーションソフトを使うことで患者さんの骨幅、骨質にあったインプラントを選択し、あらかじめ手術の手順や注意点をシュミレーションすることができます。

■ 顎関節症治療

顎関節症は関節円盤の損傷が原因です。パノラマX線画像やデンタルX線画像では確認することができませんが、CT撮影画像であれば関節円盤とその周りの骨の状態が明確に判ります。

■ 親知らずの抜歯

顎には下歯槽管と呼ばれる神経の通り道があり、不用意に親知らずの抜歯を行うと神経を損傷して麻痺が残ります。また、上顎の親知らずの場合も太い血管近くにある場合には注意が必要です。レントゲンでは判りにくい神経、血管もCT撮影画像では明瞭にわかることにより、安全に抜歯が行えます。

■ 上顎洞炎・歯性上顎洞炎

上顎洞炎とは、医科では蓄膿症・副鼻腔炎と呼びます。放散痛により歯が痛いという症状で歯科医院を訪れる患者様は意外と多いものです。
歯性上顎洞炎とは、歯の病気が原因で上顎洞が炎症を起こすことです。
どちらも上顎洞に膿が溜まり、歯が痛い、ホッペのあたりを押さえると痛みを伴う、頭が痛いなどが主な症状です。上顎洞炎・歯性上顎洞炎についてもCT撮影をすることで診断できます。