放散痛による歯の痛み =心筋梗塞=

メンテナンス(定期検診) 放散痛

クリーン歯科が開業したころから通われている患者様です

4か月ごとのメンテナンスにしっかり来られています

80歳以上というご年齢ですが残存歯が25本もあり

長年のメンテナンスの結果だと思います

 

前回のメンテナンス時に

左下の奥歯が痛い時があるという主訴があったため

口腔内を確認したところ

虫歯や歯周病・歯根破折等の疾患は見当たらず

咬合痛・打診痛も全くありません

レントゲンでも異常はなく

再度痛みについて伺ってみました

 

 

痛みは常にあるわけではなく

動いたときに鈍く痛み しばらくすると全くなくなるとのこと

念のため歯の他に左の首筋あたりの痛みはないか伺ったところ

左の首筋がこっているような気がしますという返答が返ってきました

左の奥歯の痛み 

左首筋の肩こりのような痛み

階段の上り下りなど 動いたときに同時に痛み

しばらくすると 痛みはなくなる

 

この痛みは「放散痛」です

以前 副鼻腔炎(蓄膿症)の放散痛について

ブログに載せましたが

今回は

『心筋梗塞による放散痛』です

 

いきなり心筋梗塞で倒れた

とお聞きすることが多いと思いますが

何らかの前兆がある場合があります

放散痛なので胸ではなく全く別の場所に痛みが出ます

主に左側の(まれに右側も)

・背中の痛み

・腕の痛み

・肩の痛み(肩こり)

・のどの痛み

・歯の痛み

として現れます

 

なぜ心臓とは関係のない場所が痛むのかというと

これは 「神経の勘違い」によるものです

通常 心臓の痛みは脊髄を通して脳に伝わりますが

たくさんの神経は心臓の近くに集まっていて

それが混線してしまい心臓の痛みのはずが

ほかの場所の痛みとして出てしまったということです

 

多くの方が医科の病気と歯科の病気は全く別物

と考えがちですが

結局は体の中の一部には変わりはないので

どこかで繋がっているということです

 

冒頭の患者様にはすぐに専門医での検査をお勧めしました

最初は総合病院にて心電図をとったものの

なんの異常もなく

病気は見当たらないといわれたそうですが

やはり痛みは続き

他院にて再検査したところ

軽い心筋梗塞であると診断されたそうです

患者様も

歯の痛みがまさかの心筋梗塞で驚かれたようでした

また

定期的にメンテナンスに来ていたから

大事には至らずに済みました

と おっしゃっていただき

私どもも ほっといたしました

 

以前はご本人も気づいていないような

お口の中にできる癌のごくごく初期のものをみつけ

すぐに提携している総合病院にご紹介したこともあります

 

メンテナンスで大きな病気を

早期に発見できることもあるんですよ

ご面倒かもしれませんが

どうぞ定期的に歯科を受診してください