けがにより 右上2番の差し歯が動くということで
来院された患者様です
レントゲンを撮ってみると歯の神経を取り白いかぶせ物が入っています
レントゲンでは異常はないのですが 指で歯を触ってみると
歯がかなり動きます
かぶせ物を外すと 写真のように 歯にヒビが入って割れていました
残念ですが このような場合は 抜歯せざるを得ません
抜歯後の治療法としては
1. 抜歯した両隣の健全な歯を削り ブリッジにする(保険適用)
2. 抜歯したところに インプラントを入れる(保険適用外)
二つの選択肢があります
ブリッジは保険が適用されますが ブリッジを入れた約50%が5年で
その他も7~8年でダメになってしまいます
つまり ブリッジの耐用年数は 5年から8年ほどということです
健全な歯を削っても長持ちしないのであればということで
インプラントを選択されました
通常は抜歯後 周囲が完全に治癒するのを待って(6か月程度)
インプラントの手術を行いますが
今回の部位は周囲の治癒を待っていると 骨が細く痩せてしまい
骨造成等 困難な処置が必要になり 患者様の負担も大きくなるため
手術の難易度は非常に高くなりますが 抜歯してすぐにインプラントを植える
「抜歯即時埋入法」を行いました
抜歯・インプラント前にCTを撮影しました
骨の状態を3次元で把握し インプラントの太さ・長さ・埋入方向を
決定するためには欠かせません
抜歯を行い抜歯した後の穴をきれいに清掃した後
インプラントを埋入する穴を形成します
ドリルを用いて機械での形成が一般的ですが クリーン歯科では
※OAM(大口式)インプラント法 という
鍼灸治療院で用いられている 針のような
細いドリル(オーギュメーター)を用いて
機械ではなく 手指で穴を開けて形成を行います
わずかに太さの違うオーギュメーターの太さを
徐々に太くしていくことにより
患者様が不快な音や振動を感じることなく
骨へのダメージを最小限に抑えて 的確なサイズまで穴を広げます
ちょうど 根の治療の際 手指でリーマという針のような器具を用いて
根を広げていくのと同じように 骨を広げて穴を開けます
穴が開いたらインプラントを埋入し 小さな隙間を人工骨で埋め
その上にコラーゲンを置いて縫合します
縫合後 仮歯(TEK)を作り 両隣の歯に接着剤で固定します
3.5か月の安静期間後の2回目の手術です
インプラントは骨としっかりと結合されているのがレントゲンで確認できます
歯茎も写真でわかるように硬い歯茎へと治癒しています
ところが 仮歯を外してみると
〇印のように外側の歯茎が痩せて窪んでいます
このままではインプラントの上に歯を入れるには歯肉の厚みが足りません
そこで 外側の歯肉に厚みを持たせるために 内側の歯肉を頬側にずらす
「歯肉弁根尖側移動術」を同時に行い 歯茎に包帯をしました
一週間後 包帯を外したところです
外側の歯肉の窪みが平らになっています
3週間後仮歯の型を取りそれが入ったところです
あくまでも仮の歯ですが両隣との調和も取れ 綺麗に仕上がっています
仮の歯であっても 保険外の歯であっても どのような場合でも
手を抜かず 手間を惜しまず ていねいに 確実に 型を取り
常に最上の出来栄えにこだわるのが クリーン歯科の治療です
この仮歯でしばらくの間 歯ぐきの型が安定してくるのを待ちます
仮歯を入れてから6か月後
歯茎の型も安定したので最終的な被せ物の型を取り
オールセラミックを入れました
天然歯と見分けがつかないくらいにきれいな歯だと
患者様も大変お喜びのご様子でした
※OAM(大口式)インプラント法
当院院長は公認インストラクターとして福岡・大阪で
年に数回 講習会を行っております
入れ歯が合わない ブリッジで健康な歯を削りたくないなど
お悩みの方はご相談ください
ご相談は無料で承ります