「コピーデンチャー」は
クリーン歯科の入れ歯の作製法のひとつです
すでに入れ歯(義歯)をお持ちの方が対象となります
総入れ歯(総義歯)は吸い付きが悪く
使い辛いと 多くの患者様よりお聞きします
上の入れ歯は ある程度の吸い付きは得やすいのですが
下の入れ歯は 舌が動くことなどにより
吸い付きを得るのは 難しいものです
上下ともに総入れ歯ともなると
上の入れ歯がどんなに歯茎に吸い付いていても
下の入れ歯がガタガタと動くようでは
柔らかいものしか食することができません
しかし クリーン歯科ではそのような総入れ歯(総義歯)の方でも
よく噛める入れ歯をご提供できます
以前より クリーン歯科の入れ歯はよく噛める
と 患者様よりご好評を頂いておりましたが
作製方法を簡素化でき 来院回数と治療時間が
従来の方法より短くなるという利点があります
クリーン歯科での通常の入れ歯の作製は
1.個人トレーを作製するための型取り(概形印象)をする
2.出来上がった個人トレーで精密な型を取る(機能圧印象)
3.ロー堤と呼ばれる 蝋で出来た 入れ歯の土台(床)で噛み合わせの型を取り高さを決める(咬合採得・BT)
4.人工歯を並べた未完成の入れ歯を装着して高さ・歯の向きなどを確認する(試適・TF) 必要があれば修正する
5.完成
※個人トレー
被せ物などの型を取るには通常は既製のトレー(型を取る器具)を用いますがよい入れ歯を作るにはより精密な型を取ることが重要です
そのためには既製のトレーではなくその方だけに合ったトレーをオーダーメイドで作成いたします そのオーダーメイドで作成したトレーを「個人トレー」といいます (既製のトレーを使う歯科医院もあるようです)
このように最低でも完成までに5回はかかります
2・3は入れ歯の良し悪しを左右する大切な工程となるため
特に時間をかけ丁寧に行いますがその分どうしても
治療時間が長引いてしまいます
そこで【コピーデンチャー】という作製法を用います
名前のごとく デンチャー(入れ歯・義歯)をコピー(複製)します
今の入れ歯がとてもいいんだけど壊れてしまった
今の入れ歯に痛いところがある
下の入れ歯の吸い付きをよくしたい
同じものをもう一つ作りたいといった場合など
今お使いの入れ歯をもとに型を取り
新たに作製するという方法です
これにより時間のかかる2,3の工程が一回ですみ
しかも短時間で終わらせることができるようになり
患者様のご負担がかなり軽減されます
【コピーデンチャー】
1.使い慣れた総入れ歯(総義歯)を型取りをする器具(フラスコ)のなかに入れ樹脂(レジン)を流し1~2時間ほど硬化を待ちます
型から外すと上のようなコピーデンチャーが出来上がります
2.コピーデンチャーをはめて噛み合わせたところです
歯の中心(正中)・形態が正確に再現されています
噛み合わせの平面(咬合平面)・噛み合わせなどをチェックし
必要であれば修正をします
次に 新しく作製する入れ歯と噛み合わせの型を同時に取ります
通常では精密な型を取るために個人トレーを作製するのですが
ここではコピーデンチャーを個人トレーとして用います
取れた型は技工所に出します
3.技工所より戻ってきた未完成の入れ歯を装着し
高さ・歯の向き・吸着具合を確認し必要があれば修正します
4.完成
お口を大きく開けた状態でも下の入れ歯が浮き上がっていません
この入れ歯は しっかりと噛める入れ歯です
食事を選ぶことなく大概のものを
美味しく食べられると患者様よりお聞きします
入れ歯(義歯)は歯科では難しい分野ではありますが
だからこそ 遣り甲斐もあると思っています
とても奥深く これで究極 とはなかなかいかないものです
常日頃 学習している時 患者様の顔が浮かんできます
「なんでも 美味しく食べられるようになりましたよ」
と もっと多くの患者様よりお声をかけていただきたく
今後も さらに 勉強・研究をし続けます
コピーデンチャーについては
海田町の ひまわり歯科にて実習を伴った講習会を行いました
しっかり噛める入れ歯が 短期間でできると驚かれたようです